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2021.10.05

告知

2021年度第3回公開研究会 報告者より

報告者より

▼栗原敏江

 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、2011年12月、「被爆者たちによる原爆とのたたかい(運動)を人類のあゆみ・歴史に刻むアーカイブス」(継承センター)の設立をめざして発足しました。当初は、広島・長崎に資料館もあるのに、なぜ東京に?という声も聞かれました。
 この10年、原爆体験記・手記、調査研究資料、被爆者運動史資料、原爆・被爆者に関する芸術作品など、関連資料の収集・整理をすすめながら、被爆者運動に学び合う活動を重視してきました。
 原爆を生き延びた被爆者たちは、被爆地だけでなく全都道府県で立ち上がって会をつくり、日本被団協に結集して、‶ふたたび被爆者をつくらない″ための多様な活動をくり広げてきました。被害者自ら原爆被害を解明し、原爆被害をもたらした米日政府の責任を問うてきたその歩みが戦後史に投げかけてきた事柄の意味を見つめるなかで、継承する会ならではの役割が浮かび上がってきています。
 その一端を紹介しながら、私たちがなぜ被爆者運動に注目するのか。原爆体験の何を、なぜ、どのように継承しようとしているのか。そもそも継承の主体とは誰なのか、を考えてみたいと思います。



▼吉村知華

 被団協関連文書整理に6年間、戦後史史料を後世に伝えるプロジェクトに4年間参加し、原爆でからだ・くらし・こころを傷つけられた被爆者の研究を行ってきました。
 一般的に戦争体験の「継承」では、戦時の悲惨な体験を語り継ぐことが想起されます。しかし研究を進める中で、継承すべきは戦争によりねじ曲げられた人生そのものではないかと考えるようになりました。
 何を、なぜ継承するのか皆さんと共に考える時間となれば幸いです。


▼関連情報

昭和女子大学葉光博物館主催
秋の特別展「被爆者の足跡 ―被団協関連文書の歴史的研究から―」
【開催期間】2021年10月23日(土)~11月27日(土)

 

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