金融問題研究室・中小企業問題研究室共催研究会のご案内
報告内容を「Seikeiken Research Paper Series No.27」として刊行しました。
テーマ 「国の財務書類」の研究 -国富全体を踏まえた評価の試み-
報告者 角信明(公益財団法人政治経済研究所研究員)
日 時 2023年5月29日(月)18:30~20 : 30
場 所 オンライン(Zoom)
参加費 無料
※zoom招待URLは、お申し込みされた方へ、前日17時頃にお送りします。
▼報告のポイント
国が企業会計の考え方及び手法(発生主義、複式簿記)を参考に「国の財務書類」を作成・公表し始めてから既に20年が経過した。複雑な国の会計を、企業会計の知識があれば一定の理解ができるようにしたことは画期的といえよう。しかし、「国の財務書類」には企業会計にはない勘定科目が存在する。とりわけ「国債」という勘定科目は特異であり、この特性の理解なくしてし「国の財務書類」から国の経済運営を評価するのは不可能である。「国債」は国民の借金と言われているが果たしてそうなのか。財政出動か財政健全化かの二択しかないのか。本報告の趣旨は、「国の財務書類」固有の勘定科目のうち、最も特異な「国債」にスポットを当て、その特性について国富全体を踏まえて解明することにある。その上で、「国の財務書類」における開示のあるべき姿、すなわち国が果たすべき説明責任を考察し、本報告時点で最新の2022年3月期とその前の2021年3月期の2期間、すなわちコロナ禍の「国の財務書類」の分析・評価を試みる。
なお、本報告中の意見・感想は、すべて報告者の個人的見解であって、報告者が所属するいかなる団体・組織とも無関係である。
▼報告者プロフィール
1968年生まれ。博士(政策研究)(千葉商科大学)。
中央大学卒業後、金融機関に勤務。
2001年より同勤務を続けながら、杏林大学大学院(修士課程)、千葉商科大学大学院(博士課程)へ通い、法律および会計面から開示について研究。
主要業績として、単著『非上場会社の会計ディスクロージャー理論』(南窓社、2015年)、「「国の財務書類」の研究-企業会計的アプローチの限界と学際的アプローチの試み-」『経営行動研究年報』第30号(2021年)ほか。
お申し込み