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2023.11.27

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オンラインセミナー(助成研究報告)のご案内

京大の戦争協力―谷口吉彦の事例―

テーマ 「京大の戦争協力―谷口吉彦の事例―」

報告者 冨永望(政治経済研究所研究員、立教大学兼任講師、元・京都大学文書館特定助教)

reserchmap: https://researchmap.jp/19740825

日 時 2023年12月16日(土)午後14時~16時

参加費 無料

場 所 Zoom報告


※zoom招待URLおよび事前資料は、お申し込みされた方へ、前日午後5時頃にお送りいたします。


【概要】

 谷口吉彦(1891~1956)は昭和戦前期の京都大学を代表する経済学者の一人である。和歌山県の農家に生まれ、苦学して京大に進学した谷口は、河上肇の薫陶を受けて研究者への道を進み、「商業組織の特殊研究―米の配給組織に関する研究―」で経済学博士号を授与される。中流層以下に位置する人々の消費活動を重視するスタンスから、「購買力補給論」という、今日のベーシックインカムにも通じる提言を行った谷口は、次第に統制経済の研究に進んでいく。日中戦争以降は戦時体制の礼讃者となり、『東亜総合体の論理』『新体制の論理』『大東亜経済の理論』といった一連の著作により、国家主義者として広く認知された。戦時中の著述が咎められて、戦後は京大退官・教員資格審査不合格・公職追放の憂き目を見る。谷口の研究の軌跡を追うことで、京大の戦争協力の一端を明らかにするとともに、研究者が学術研究を通じて国策に協力するとはどういうことなのか、考える機会としたい。

【経歴】

1974年生れ。京都大学博士(文学) 京都大学大学文書館特定助教を経て現在に至る。おもな業績『象徴天皇制の形成と定着』(思文閣出版、2010年)、『昭和天皇退位論のゆくえ』(吉川弘文館、2014年)、『昭和天皇拝謁記』全7巻(岩波書店、2021~2023年)編集。